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与那覇岳における自動撮影とその有用性について
*金城和三・宮城邦治(沖縄国際大学),伊澤雅子(琉大・理・海自)


  演者らは2005年10月より沖縄島北部の与那覇岳の森林域内において5台の自動撮影カメラを設置し,継続して定点モニタリングを行なってきた。2007年4月現在までに,やんばるの希少固有種を含む17種(哺乳類5種,鳥類12種)が撮影された。これらの撮影結果には,希少性の高い種がいくつか含まれており,また,問題となっている外来種(ジャワマングース)の山林域における侵入の確認もなされた。また,撮影された種には,周年撮影される種,季節的に撮影される種の2つに大別され,後者には,季節的な渡りをする渡り鳥のような種だけでなく,周年留まって生活している種においても,撮影される時期が限られている種がみられた。
 本講演においては,これらの結果から導きだされる撮影された種ごとの生態特性に関する考察を行ない,与那覇岳に生息する野生動物の危機的な現状について報告したい。また,自動撮影法を用いた長期モニタリングの有用性についても紹介したい。
 なお,本研究は,「NPO法人 やんばる森のトラスト」の活動の一環として行った事業である。その支援をしている株式会社リコーに対して,ここに礼を申し上げる。